「南十字星」千秋楽雑感



10日に、四季劇場[秋]で「南十字星」を観劇。

千秋楽で、午後1時開演。



開演前は、ロビーで、(会員特典の)インセンスグッズ(お香)をもらった。箱のまま、部屋にあるだけで、かなり匂う。ので、各種香りに弱いひとは、ダメかもね…(私がもらったのは、ストロベリー フレッシュで甘いいちごの香り、なのだが、なんか、おばあちゃんの部屋っぽいにおいだ(笑))

出演者のメッセージは、島村中将・原田大尉・塚本少尉の3氏。





結局、約4か月の上演中、「南十字星」は、初日と千秋楽の2ステージのみの観劇だった。



旧日本軍の出て来る話は好きではないから、心に半分鍵をかける気持ちで見ていたが、それでもときどき(たとえば、原田大尉の言動など)感情が激しく波立つのを避けられない。

この舞台、たとえば、反日感情を持つひとが見るとその感情を、東南アジアへの差別意識があるひとが見るとその意識を、連合国嫌いのひとが見るとその気持ちを 等々、かきたてられるようなところがあるのではないだろうか。



独立運動の急進派といえる役を藤川和彦氏が演じていて、いわゆる開口口調全開のセリフなのだが、そのうんざりするほどはっきりしたしゃべりが、融通の利かない「あく」の強さを生んでいて、暗殺されるに充分な存在感があった(四季独特のセリフ術の、意外な効果を見た思いだった。ただ、この千秋楽のニルワンは、声がかすれていたが)。



舞台の終盤、主人公の保科勲が死を受け容れるあたり、客席では嗚咽しているひとまでいて、これにはびっくり。類型的だが、それゆえに分かりやすい登場人物が多いなか、中立的な視点を持ち感情の吐露が希薄な主人公は、戦犯として散ったひとたちの良心の集合体のようにしか見えないのだが。私はむしろ、島村中将の言動に、観客としての気持ちを沿わせたい、と思った。



カーテンコールでは、阿久津陽一郎氏からあいさつがあった。

千秋楽の売り上げをスマトラ沖地震の義援金として寄付することについては、その金額を 706万円といっていた(その後、四季公式サイトによればこの金額は募金なども合わせた総額とのこと)。





これは余談になるが、歌舞伎俳優の中村雀右衛門丈は出征し南方へ赴き、スマトラで終戦を迎えたという。

「終戦のあと、現地の独立運動に義勇兵として参加するために部隊を出る人、現地で知り合った女性と一緒になった人もいました。」と、近刊の「私事」(岩波書店)のなかで語っている。


つまり、「南十字星」の原田大尉のような行動をとったひとをじっさいに目の当たりにされたのだ。

観劇後に読んだため、雀右衛門丈の戦争体験の部分に、「南十字星」のシーンが重なった。



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