時代の証言者 中村吉右衛門 17



読売新聞朝刊に連載の「時代の証言者」

歌舞伎俳優 中村吉右衛門の第「17」回(6月1日付)は、『全米公演で「極東の日本」痛感』



戦の犠牲になった息子への愛情をえがいた「藤戸」、夫婦の愛情を扱った「巴御前」、娘に対する父親の愛をえがいた「日向嶋景清」(「嬢景清八島日記」を脚色)。吉右衛門による『この3作は、それぞれが戦で肉親と引き裂かれた愛別離苦を描いているので、愛別離苦の3部作と考えています。

他に、脚色では、「桑名屋徳蔵入船物語」もある。



 『いくつか脚色したり構成したりしましたが、なかなか難しいものだと思いました。しかし、歌舞伎には、その数は分かりませんが、長い歴史の中でおそらく現在上演されている作品の何十倍、何百倍もの新作が書かれてきたと思います。

 ほとんどが埋もれている。その中で、「日向嶋景清」に続いて「藤戸」を歌舞伎座で上演させてくださるのは、ありがたいことです。




1990(平成2)年、中村吉右衛門は、澤村宗十郎、中村歌昇、中村児太郎(現福助)らとともに、2か月にわたる全米公演を行ない、地方の12都市を回り、テキサス州サンアントニオでは運河で船乗り込みもした。『私にとって初めての海外公演でした。学園祭も回る企画でした。

オハイオ州コロンバス、サンアントニオ、ジョージア州アトランタ、ワシントン州シアトル。

あの広いアメリカを飛行機で飛び回るので、いささか苦労しました。

 それでも、歌舞伎が行かないような町でも見てもらうことができたし、私も旅行でも行かないようなところに行けたので、いい思い出になっています。




1996年に、再びアメリカの地方で公演したとき、ダラスで女性記者が、『「歌舞伎は昔、売春していたんでしょ」と聞くんです。

純粋な演劇であることを話し、『女形を男色と混同しているようでしたので、シェークスピア劇にも京劇にも昔は女形がいて、歌舞伎は今もそれが残っていると説明しましたら、最後には納得してくれました。そのとき、極東の日本を痛感しました。







・・・「桑名屋徳蔵入船物語」は、国立劇場ホームページの上演記録を検索すると「桑名屋徳蔵入舩物語」。吉原揚屋吾妻屋の場には、禿ちゃんが出る模様。

これも検索すると、吉右衛門丈(松貫四名儀)の改訂による同作は、1986(昭和61)年4月、歌舞伎座で上演されている。



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