時代の証言者 中村吉右衛門 15



読売新聞朝刊の連載企画、「時代の証言者」中村吉右衛門 は、去る6月8日付の「22」回をもって中村吉右衛門さんの「証言」が完結しました。



中断していた拙ブログでの紹介を、第「15」回分からつづけてみます。

それまでと同じく、要約と引用(青字)によるものです。(「・・・」以下は、私個人の蛇足的付言)





第「15」回(5月30日付)は、『「こんぴら」盛況 深い感慨』



「第1回四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、1985年6月、香川県琴平町にある国の重要文化財・金丸座で開かれ、盛況。町おこしの起爆剤として注目された。東京からはまだプロペラ機の時代で、瀬戸大橋もなかった。



歌舞伎芝居は器が大事だと思っていた。巡業先の会館やホールは立派だか、歌舞伎の上演には適さないところもある。

一番前のお客さんとも距離があるところなどがそうで、こちらの演技力が足りないのかもしれませんが、お客様も芝居に乗ってくれず、そうなるとますます客席が遠くなることもある。

誘われて、九州の旧い芝居小屋に行ったとき、芝居をちょっとやってみたら、なかなかいい。『大きさは芝居にぴったり。花道も客席の中から出てくるような感じで。そして客席の中にすっと引っ込むようでした。



 『そのうちに、沢村藤十郎さんたちが四国に金丸座という古い芝居小屋があるというのを聞いてきて、中村勘九郎(現勘三郎)さんら3人で行こうということになった。

そこで、「すばらしき仲間」(TBS系、84年)を撮ったのが、こんぴら歌舞伎につながる。



金丸座は重文として見せるためのものだったが、歌舞伎が出来そうだとなると、『地元の方が乗ってくださって、町おこしのためにぜひ、と話が進んだんです。



せっかくやるのだから、目新しい演目をといわれ、『それまで集めていた本をひっくり返してみたら、「遇曽我中村(さいかいそがなかむら)」というのがあった。』そこから、自身で「再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)」を脚色した。



 『金丸座には冷暖房設備がなかったので、季節の良い6月の大阪・中座が終わった後に上演することになりました。

25日の昼の部が中座の千秋楽、四国へ渡って26日にお練り、27日が初日、好評で2日間の予定を29日にも1回追加公演をした。澤村宗十郎、澤村藤十郎らが出演。吉右衛門は主演に、作者・演出も兼ねた。

 『初日の幕が開くとわーっと大歓声。話題としてマスコミがこぞって取り上げてくれた。苦労しただけに、うれしかったですね。







・・・公共のホールで巡業の歌舞伎を見ると、たしかに、なんだか味気ない。同じ演目で、主役も同じなのに、(歌舞伎座で見たときよりも)格段につまらなくなってしまうのは、ソフトよりもハードのほうに問題があるということか。



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